祝!本庶佑博士のノーベル賞受賞

祝!本庶佑博士のノーベル賞受賞

平成最後の年、12月10日に本庶博士がノーベル医学生理学賞を受賞されました。免疫を利用した新たながん治療の実用化の道を、共同受賞者のアリソン博士とともに開いた功績が評価されました。スピーチでは「免疫療法が地球上のすべての人に広くいきわたることを願う」と話されたと報道されています。

実は、フランク・バーネット(Frank M.Burnet)博士、オーストラリアの理論免疫学者は、すでに1950年代に「ヒトの体内では毎日多くのがん細胞が生じているが免疫系に排除され、がん発症を防いでいる」ことを報告していました。そしてバーネット博士は1960年免疫寛容の獲得の研究でノーベル生理学医学賞を受賞したのですが、その後、がんと免疫の関係について多くの研究者がチャレンジしても、この現象は長らく証明されなかったのでした

実に今回の受賞をさかのぼること60年以上の研究達の努力の成果が地球上で認められた画期的な瞬間です。その道の開いた本庶博士、アリソン博士またそれぞれの研究チームの研究者たちはレジェンドと思います。特に当時大学院生として細胞死を誘導した細胞に現れる特殊なたんぱく質を発見しProgrammed cell death-1と命名し1992年に発表した石田靖雅(現奈良先端科学技術大学院大准教授)博士は、本庶博士とともに長く語り継がれることと思います。

AERA’18.10.15No.49の記事に「亜流」を「主流」に変えたと題して本庶博士の偉業を解説があったとおり、未開拓の分野のパイオニアたれ!という研究者魂、そのリーダーシップには敬服の極みです。

当社団の相談では、がんと免疫の関係をご説明させていただき一緒に治療戦略を考えていきます。標準治療では腫瘍の塊を直接、切除・縮小していく治療法が主であり手術、放射線照射、さらに抗がん剤という治療計画が一般的です。免疫とがんの関係では、免疫細胞を介して間接的に腫瘍細胞を処理していくという機能がカラダにあること、そして治療法が実証されているところをご説明の柱にしています。

がん発症までは生活習慣病の一つとして、がん予防は食生活から!ということは普及しています。これは免疫をはじめとする生体防御機能がちゃんと機能していれば予防効果があるということです。しかし、いったんがんと診断され、治療が始まるとこの生体防御機能が自身のカラダに本来あることは二の次になってしまい、はやく腫瘍を取り去ってほしい、消してほしい、という人情にならざるを得ません。

すでに分子標的薬とよばれる抗がん剤では免疫力との共働を効能として開発され普及していますが、このたびの本庶佑博士のノーベル賞受賞は、この人情に振り回されずに「免疫」という別の視点からも戦略が立てられるんだぞ!という科学的根拠を実証され、人々に示したことが、何より画期的だと思います。まさにがん治療の常識がこれから変わっていく道が開かれたように思います。

 

トラックバックURL