平成27年7月4日 NPO法人 ストレスマネジメント指導者協会 フォローアップ研修会で講演

NPO法人 ストレスマネジメント指導者協会 フォローアップ研修会で講演

平成27年7月4日 東京都目黒区東山住区センター 第1会議室にて「がん患者のストレスマネジメント」をテーマに講演しました。ストレスマネジメント指導者の皆様のイメージと重なるように、ストレスと生体防御機能の関係に焦点を当てた内容となりました。

まず「わたしが、がんになるなんてありない」と思っていると、予想もしていない「がんの宣告」から闘病生活がはじまること、そして、がんサバイバーの方からの「がんは打ち負かすことができ、それゆえに闘う価値のある病気である。気力と免疫力がとにかく重要である。」という経験メッセージをご説明しました。

そして、ストレスとの関連について、がん細胞が、長い時間をかけて正常細胞が「がん化」していく過程を、順を追ってたどりました。「がん細胞」に至る経過をさかのぼると、まず、放射線への被爆、薬物、炎症、過度の運動、ストレスなどにより体内に活性酸素を過剰に生じると、抗酸化酵素の手に余る状況となり活性酸素が正常細胞の遺伝子を傷つけます。この傷ついた遺伝子は、アミノ酸をつなげる設計図が乱されることにより、本来、生産すべきタンパクを正確につくれなくなります。細胞内には修復機能が本来備わっていますが、この機能も傷害されると修復されず、傷ついたままの不良タンパクを抱える細胞が再生産されます。このような不良細胞は、生来に仕組まれている自爆機能を発現して生き延びることが出来ないのですが、この自爆機能に故障が起き、生き延びたものが、増殖を無限に行うがん細胞となります。もちろん、このような細胞のもつ防御機能が正常に機能しない場合に、がんだけでなく様々な病気になります。そして、毎日、このレベルまでがん化する正常細胞の数が数千個に達していると言われています。そして、このがん化した正常細胞=不良細胞は、ふらふらしていると免疫細胞に発見されると処理されてしまいますが、発見されないような居場所を見つけると、画像診断装置で見つけることが出来ない大きさの「がん細胞」として長く体に潜んでしまいます。そして、自分が成長するために必要な血管を新たに作りはじめ、急激に成長を始めます。この由来ように、がん細胞は、限りなく正常細胞と近いもので、どこか別の星から来た異物ではありません。「がん細胞」と認識するための腫瘍マーカーは正常細胞も同様に発現がみられます。その発現量が「がん細胞」では多くなり、目印としています。つまり、「がん細胞」に特別にある目印というものは見つかっていないのです。

したがって、がん治療の戦略として、がんの特徴である増殖の速さを、抗がん剤は狙うところですが、一方、正常細胞も新旧交代の細胞増殖を行っているので、増殖の過程が同じ標的となってしまい薬の副作用が出てしまいます。

では各段階で働くはずの生体防御の仕組みは、どうなっているのでしょうか。「がん化」すると、それでも正常細胞とは少し違うので、異物として免疫システムは動きます。「がん患者」と診断される前まで「がん化」した細胞は免疫監視機構(Burnet仮説)で主としてNK細胞により処理されています。すなわち「がん細胞」を叩く仕組みは、どんなにがんが進行しても本来の自分の体に備わっていて、なくなるわけではありません。問題は、この攻撃の仕組みを眠らせてしまう免疫抑制という「返し技」をがん細胞が持っていることです。

このがん細胞の「返し技」に対抗する本来の正常細胞の活性化、すなわち免疫力の増強が治療法として重要です。がん患者さんは誰もがこのことを知っていますが、病院では残念ながら、どうやって免疫力を増強できるのか説明をしてくれません。病院では「がん細胞」を敵とみなして攻撃しますが、あわせて味方の正常細胞も免疫細胞も攻撃してしまいます。標準治療の限界のひとつが、このようなところにあることをお話させていただきました。

会場では、多くのご質問をいただきがん治療への関心の高さを改めて感じました。また、がんは生活習慣病のひとつとして位置づけられていることから、ストレスマネジメントの見地からその予防法についても、熱心に勉強され取り組まれているお話も伺いました。当窓口では予防法の相談は専門としていませんが、ホントに有用なのかどうか等、情報収集をする際のご支援はお手伝いできればと思います。

 

第12回フォーアップ研修 「がん患者のストレスマネジメントについて」 於目黒区東山住区センター

【感 想 文】

 がんが生活習慣病であるとは驚きでした。(がんは)特殊な病気であると思い込んでおりましたが、このお話により、まず生活習慣の見直しとストレスマネジメントが必須であると思いました。お話は、とても分かり易く吸い込まれていく自分がありました。又、現時点での介護体験から、気力と病気の関連を感じておりましたが、お話により明確になりました。ありがとうございます。 H.S様

 

 身内にはがんで亡くなる者がいないものの、周囲では頻繁に直面する課題でもあり、興味深く拝聴しました。仕事柄、最先端医療の技術や学術的な研究の話を聞くことは多いのですが実際の場面において何が起き、なぜ選択肢が見えてこないのかという事象をおぼろげながら理解できたように思います。何よりも生活習慣に起因するという発想はこれまでなかったため、新しい視点を頂きました。  Y.K様

 

 身近に癌の者がいたり、つい昨年も亡くなったりし着実に他人事ではなくなっています。何処まで手助けできるのか悩むことがあります。今日の先生の話を聞き、そのような窓口があることを伝えてみようと思います。

ガンについて、いろんなことが明らかになって来ていますがまだまだ分からないことが多いのではないかと改めて思いました。人間の持っている力を最大限発揮できる状態にしていくことががん対策にもなるのではないかと思います下。難しいことも多々ありましたが学習の良い機会となりました。ありがとうございました。I.H様

 あまりがんに対して日常意識したことがありませんでしたが、いろいろ勉強になりました。普段は聞くことのできない貴重なお話でした。少し毎日のアルコールで身体がつかれていましたので、眠気が多少あり、先生には申し訳ありませんでしたが、これも私の身体の自然のシグナルと思いました。今回も東京へストレス解消も含めてまいりましたが、とても良い3日間でした。協会も人集めに大変と思いますが、先生、ぜひモチベーションを高めて活躍してください。まだまだです!また12月を楽しみに参りたいと思います。ありがとうございました。 T.I様

  祖母を食道がんで、母を肺ガンで亡くしている私にとって、なぜあの時に、もっと自分に出来ることはなかったのかと、そう思う日々もございましたので、中村先生のお話に聞き入ってしまいました。もし、自分がガンになったとしたら何を思い行動できるのかと考えるひと時にもなりました。日々、改善できることも、お話にありましたので何か実践できることを見つけていきたいと思います。本日は、有意義な研修を受けさせて頂きありがとうございました。   E.O様(札幌)

 今日の出会いに感謝しています。父の顔、立ち姿など思いだし父も嬉しいと思います。「ガン」に対する見方が変わりました毎日の生活が大切なのだとつくづく感じました。札幌に戻り友人に伝えたいです、家族の生活を振り返ります。本当にありがとうございました。        I.W様(札幌)

 ガンは生活習慣病であること、ガン細胞は、日々刻々生まれ、それに正常細胞が取って代わっている。その変化を阻害しているのが、食事・睡眠・運動などの生活習慣の歪み、そしてストレスと云うお話でした。ガンの発生や予防はストレスマネジメントな重要性が理解できました。ガン患者のための正確な情報が届かないのは、たとえば外科医なら外科と云う狭い範囲での治療者の専門的な立場の枠組みに止まり,「今できることは、是々と箇条的に」選択を迫られているため、患者や家族は頭の中が真っ白の状態で何が何だか分からないまま「同意」せざるを得ない現状であること。

 新しい治療法や新薬の承認に要する時間が非常に長く最新の治療法を取り込めないだけでなく、患者のためと云って、勝手に新治療法を採用すると法律違反に問われ医師免許が剥奪される仕組みとなっている。保険医療制度上の最大の問題は混合医療が不可能なこと。全部保険診療で行うか、自由診療で行うかと云うことになり膨大な医療費負担となり、さらに無許可で診療した場合は罰せられる。これらの制限があって最適な医療が受けられないし、患者も「ガン難民」に陥っているというのが現実のように感じました。また、ガンになったら「自分の生き方をハッキリさせ」それに向かって生きていくことの大切さも知ることができました。人間の身体(細胞)は、「生き方」に従って出来てくるというお話は目から鱗でした。もう一つ「低体温の改善」がガン予防に大切なメッセージがありました。これも生活習慣と密接に関係しているのでホントに日々の生活への意識の大切さを感じました。ガン保険でいう「先端医療」と云うのも保険制度内の医療と云うこともわかって良かったです。ガンと宣告されたときにどのように対処すれば良いのか、治療設計の窓口の存在を知ることができました。本日は貴重なお話をいただき有難うございました。 K.I様

 

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