治療設計のイメージ

がん細胞は画像診断でみえる病巣だけに集中しているとは限らず、身体のどこに、飛び散っているのか、確実にみつける方法はありません。
そのため、手術で腫瘍を取り除いても、再発や転移を防ぐ目的で、抗がん剤という全身療法がおこなわれています。問題は、抗がん剤だけでは、生き残るがん細胞がいる上、抗がん剤によって免疫力が低下した体内で、反撃に転じてくることです。やはり、完治を目指すには、免疫という観点も踏まえて全身療法を設計する必要があります。ここでは、標準治療以外の先端医療の組み合せのイメージをいくつか紹介させていただきます。

先端医療の多くは局所療法ですので、数少ない全身療法である免疫療法は治療設計の上で要(かなめ)となります。

このような治療設計をご提案しています

次の例は、がん完治を目指すための、標準治療先端医療を組み合わせた治療設計イメージです。

免疫療法との組み合わせ

  1. リンパ球培養

    ※免疫療法を行う理想型は、抗がん剤によって免疫細胞がダメージを受ける前にリンパ球を採取の上、培養(3週間)を行い、凍結保管しておくものです。外科手術前にリンパ球を採取・培養できればベストと考えられます。
    以下の設計例に示す免疫療法はすべてリンパ球培養を行っていることが前提です。

  2. 外科切除
  3. 抗がん剤治療
  4. 免疫療法

例:進行性の大腸がん
健康診断で大腸がんを疑われ、精密検査の結果、正常組織に浸潤している進行性の大腸がんと診断される。
転移巣は画像診断上、認められない。リンパ球の中でも、どのようながん細胞でも認識できる能力を生まれながらにもつNK細胞の培養のほか、外科手術により採りだした腫瘍組織を標的として特定のがん細胞だけを傷害するCTLというリンパ球培養も行い、その間に抗がん剤治療を実施。培養したリンパ球を戻すタイミングは様々なパターンがあるが、基本的に、抗がん剤が有効な間は抗がん剤投与を継続し、抗がん剤が効かない薬剤耐性を生じると、全面的に免疫療法に切り替え、完治を目指す。

  1. 抗がん剤治療
  2. 免疫療法
  3. 外科切除
  4. 免疫療法

例: 嚥下の際に痛みを感じることから受診。食道がんと診断される。
転移が見つかり手術不能。免疫療法準備のためリンパ球採取後、抗がん剤治療を開始。培養完了後、免疫療法を実施。転移巣が消失し、原発病巣も退縮、手術可能となり外科切除。さらに分散・残存するがんを殲滅する目的で免疫療法を実施し、完治を目指す。

ロボット手術との組み合わせ

  1. ロボット手術
  2. 抗がん剤治療
  3. 免疫療法

例: 卵巣がんと診断。
骨盤内にも進行しがん病巣の外科切除は、通常開腹手術では至難なため、ロボット手術で骨盤内腫瘍を摘出。その後、抗がん剤治療を行い、さらに分散・残存するがんを殲滅する目的で免疫療法を実施し、完治を目指す。

がん粒子線治療との組み合わせ

  1. 外科切除
  2. 抗がん剤治療
  3. ラジオ波治療
  4. がん粒子線治療
  5. 免疫療法

例: 転移性肝がん、複数病巣と診断される。
原発巣は胃。手術不能といわれ、がん粒子線治療を希望するも適応外と断られる。抗がん剤治療とラジオ波治療実施。転移病巣の縮小・消失がみられ単一病巣となる。がん粒子線治療の適応となり実施、さらに分散・残存するがんを殲滅する目的で免疫療法を実施し、完治を目指す。

複数の先端医療の組み合わせ

  1. サイバーナイフ
  2. 免疫療法

例: 聴神経腫瘍と診断される。
耳の奥に腫瘍があり脳外科手術は困難。サイバーナイフにより照射し腫瘍消失。その後、免疫療法を実施し完治を目指す。

  1. 抗がん剤治療 ←→ 分子標的薬
  2. 免疫療法

例: 乳がんと診断される。
年若く美容のため部分切除も回避したく、将来の出産への影響を考え、抗がん剤(殺細胞剤)や放射線治療も拒否。そこで分子標的薬、ホルモン療法、免疫療法を併用し腫瘍消失。

  1. 抗がん剤治療 ←→ ホルミシス療法
  2. 免疫療法

例: 悪性リンパ腫と診断される。
抗がん剤治療により寛解、再発を繰り返す。抗がん剤治療の副作用が重くホルミシス療法を併用。腫瘍退縮し、免疫療法を実施、完治を目指す。

これらの治療設計イメージは一例にすぎません。がんの種類、治療経過、患者様の病状に応じて様々な治療の選択肢を一緒に考え、最適な治療設計を提案させていただきます。