がん医療の現状・背景

日本のがん医療の現状と、当法人を立ち上げたきっかけについてご紹介致します。

高齢社会を迎えて

我が国の国民皆保険制度は、世界でも類を見ない素晴らしい医療制度です。WHO(世界保健機構)も日本の医療水準が世界一と判定している根拠がここにあります。しかし、なぜ世界一の医療水準の国民医療費が高騰するのでしょう。
それは、我が国が抱える世界に類を見ない超高齢化社会と無縁ではありません。

がん死の現状

厚労省は、入院から在宅へと医療構造を転換することで、高齢者にかかる医療費を削減しようと努力しています。しかし、高齢化に伴って増加するがん治療費は削減できていません。平成23年度の厚生労働省の統計によると、全部の病気の死亡数が約125万人で、そのうちがんによる死亡数は35万7185人(28.6%)です。平成22年度は35万3499人(28.3%)ですから、1年で3686人(0.3ポイント)死亡数が増加しています。

癌死亡数の推移、日本の人口の推移

標準治療の現状

高齢者

世界水準にある日本の医療は日々進歩しています。手術は内視鏡手術が普及し、ロボット手術も登場しました。放射線治療もピンポイントで照射するようになっています。それでも減るはずのがん死亡数が増加を続けています。 我が国では、進行がんは術前術後に抗がん剤(殺細胞剤)を多量投与します。外科手術と殺細胞剤投与はワンセットになっています。殺細胞剤は言葉の通りすべての細胞を殺してしまうので、がんを殺す免疫細胞も殺されてしまいます。最新の研究で、がん幹細胞の存在が明らかになりました。この「がん幹細胞」はほとんど増殖しないので、増殖の盛んな細胞におそいかかる殺細胞剤は無効といわれます。その結果、転移再発を抑制することができずがんの死亡率が上昇の一途をたどるのではないでしょうか。

分子標的薬の開発・実績

殺細胞剤は、欧米では使用比率が下がっている薬剤です。欧米では、抗がん剤といえば、分子標的薬が主流です。欧米では、20世紀中に殺細胞剤の限界を知り、がんを殺さずに増殖を抑える分子標的薬の開発に踏み切ったのです。分子標的薬は、免疫を温存して、免疫細胞にがんを殺してもらう薬剤です。 その結果、21世紀になって欧米のがん死亡率が減少傾向にあります。現在、開発中のがんの新薬は、すべて分子標的薬で殺細胞剤はひとつもありません。 日本でも分子標的薬は使用されていますが、使用頻度は少ない上殺細胞剤と併用されています。我が国にはがん標準治療(保険診療)の他に優れた先端医療(自由診療)がいくつもあります。

クリニックでの検証

私は、8年前からANKという世界最強の免疫細胞療法(先端医療)を行っていますが、それを受けに来る患者様がほとんどステージⅣ(多臓器転移)ばかりです。なぜそうなるのでしょうか。最初にがん患者が医療機関の扉を叩くのはがん拠点病院です。そこは、標準治療の専門医療機関です。がんの専門医は、患者に完治すると言わず延命しようといいます。患者は完治したいので、標準治療以外の選択肢として先端医療を受けたいと訴えます。すると、うちではもう面倒みないから他に行きなさいと冷たく言われます。そうなると、患者は不安で離れられなくなり、標準治療で徹底的に体力を奪い取られます。その結果、もうこれ以上殺細胞剤を投与できなくなると緩和ケアに行きなさいと放り出されます。その後、先端医療を受けるといっても免疫力が失われ、がんも全身に進行してしまい、いくら優れた免疫細胞療法でも十分な効果が発揮できないのです。

がん患者からの声

医療器具

がんと診断された段階で、標準治療に加えて優れたいくつもの先端医療を選択肢とすることが可能なら、がん完治は夢ではありません。そこで、私は標準治療と先端医療を早期に組み合わせてがん完治を目指す「がん治療設計」の仕組みがあればいいのではないかと考えたのです。私は、がん完治の理想的な治療の組み合わせを早期に患者に指導することにより、がん完治と医療費削減の流れを作りたいと考えて、本社団法人の設立を思い立ちました。 私のクリニックに通院している多くのがん患者に、この仕組みについて感想を聞くと、こういう仕組みがあったらもっと早く先端医療がうけられたのにと異口同音にいいます。このような仕組みがないことが、がん死亡率の減少を妨げている要因ではないかと思います。しかも殺細胞剤を垂れ流すがん医療は確実に医療費高騰の原因になっています。 私たちは、「がん」と診断され不安を抱える患者様のために、標準治療と「がん先端医療」を組み合わせて完治に導くための方法、すなわち「がん治療設計」のための窓口を設立致します。この試みが多くの患者様の力となり、また、医療費増大に苦しむ日本の医療の光となることを心から願っています。どうか皆様のご理解とご支援を賜りますよう何卒よろしくお願い致します。